絶賛デスクワーカーなジャパンヘルスケア代表の岡部です。
診察中も、研究している時も、このブログを書いている今も基本座ってます。
IT化のおかげでデスクワークが増えた昨今、長時間座っているせいでお尻が痛くなったりしていませんか?
今日はその原因と自分で試せる改善方法をお伝えしたいと思います。
お尻が痛い原因ベスト3
1.坐骨神経痛(腰椎椎間板ヘルニアなど)
2.梨状筋症候群
3.筋肉痛
デスクワークでお尻が痛い時のための改善法5つ
1.座る姿勢の改善する
2.クッションなどを利用する
3.椅子を変える
4.座らない
5.ストレッチする
ちなみにこういった形でお尻が痛い人は、腰痛もよく出てきてしまいます。
腰痛予防も含めて、こちらの記事もおすすめです。医師がオススメする腰痛改善ストレッチ 効果絶大ベスト5
お尻が痛い原因ベスト3
1.坐骨神経痛(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱菅狭窄症など)
2.梨状筋症候群
3.筋肉痛
1.坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、「坐骨神経に沿った痛み」のことです。病気の名前ではなく、症状のことですね。
原因として多くあるのが腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱菅狭窄症や、お尻の筋肉が硬くなってしまった場合などで、神経を圧迫してしまい痛みやしびれがでます。
坐骨神経痛は点ではなく、線で痛むことが多いです。お尻から太ももの裏までビリビリと痛んだり、足先にも痛みやしびれ、力が入りにくいなどの症状があったります。
細かい診断には医師の診察やレントゲンやMRIでの検査が必要なので、坐骨神経痛かも?と思う人は整形外科の受診をお勧めします。
簡単な痛みであれば、下に記載してある改善方法で良くなることもありますよ。
2.梨状筋症候群
実は梨状筋症候群も坐骨神経痛の一種です。
梨状筋症候群とは、梨状筋のせいでその下を通る坐骨神経がおされて、お尻から足にかけて痛みやしびれを生じることです。
梨状筋症候群の方は、長く座っていると座り続けるのが辛くなったり、お尻(梨状筋)を押した時に痛みがでます。また、足を内側に回す(内旋)と症状が悪化します(Bonnet test)。
デスクワーカーは特に注意すべき病気かもしれません。
これも診断には医師の診察が必要ですが、梨状筋症候群かも?と思う人は下記の自分でできる改善方法を試してみるとよくなる可能性があります。特に梨状筋ストレッチが有効です。
3.筋肉痛
筋肉痛はただの筋肉痛ですね。雑学ですが、この筋肉痛ってどこが痛くなるか知っていますか?
実は、筋膜と呼ばれる、筋肉の膜が硬くなると言われています。
こういったところから、最近流行りの筋膜ストレッチは筋肉痛にも効果的な場合が多いですよ。
もちろんこれら3つ以外にもお尻の痛みの原因はあります。
ですが今回はメジャーなものを紹介させていただきました。
お尻の痛みの改善方法
原因にもより、なかなか治りにくい痛みもありますし、症状が強い場合は手術が必要なこともあります。病院で処方される飲み薬(NSAIDsなど)や注射(神経ブロック)、牽引療法などは効果があるとされています。
この中で、牽引療法はちょっと曲者で…
効果ありと言われているものの、それは設定をちゃんとやった場合です。
巷の病院で、牽引するけどその設定は適当ってところはかなり多いです。
10年20年そこで働いている助手のおばちゃんが、適当にやっちゃっているんですね。
牽引するなら、きちっとした形でやってるところ(だいたい雰囲気でわかります)でやりましょう。
病院の受診は難しくて、自分でなんとかできないか?などという人のために、今回自分で試せる方法を5つ紹介します。
デスクワークでお尻が痛い時に自分で試せる5つの改善方法
1.座る姿勢の改善する
2.クッションなどを利用する
3.椅子を変える
4.座らない
5.ストレッチする
1.座る姿勢を改善する
低すぎる椅子に座ると、お尻に体重がかかりやすいので痛くなりやすいです。足が全部ついて、膝が90°に直角に曲がる高さにしましょう。
そして座っている姿勢では無意識に左右どちらかに体重がかかっていることがあります。右のお尻を持ち上げて、次に左のお尻を持ち上げて、あげやすい方・あげにくい方があれば左右差ありです。
あげにくい方のお尻に体重がかかっていることが多いのですが、そちらが痛むなら要注意です。
意識して左右差をなくせるようにしていきましょう!!
2.クッションなどを利用する
硬い椅子であれば、座布団を使うとよいかもしれません。お尻に強い刺激が入らないように環境から整えていく。
お尻に優しいクッションをまとめたサイトがあったので、こんなのも参考にすると良いですね。
「デスクワークに!座り心地のいい、お尻にやさしいクッションのおすすめを教えて」
お尻の下だけでなく、姿勢も大事です。
背もたれにクッションを置くとよい姿勢が保ちやすいのでオススメですよ。
3.椅子を変える
思い切って椅子ごと変えるのも手ですね。いい椅子は長時間座っていても疲れにくい設計になっていることが多いです。椅子の高さを調整できるのが重要ですね。(机の高さとのバランスも大事です。)
知人のデザイナーさんから聞いたのですが、その方の職場では、仕事場の椅子を自分で選ばせて購入してもらえるみたいです。
長時間のデスクワークなので、合わない椅子を使うと様々な悪影響が出てくるということを知っているんですね。
4.座らない
発想を変えて、立って作業しましょう。最近はこういった形で仕事をする人も増えていますよね。実は座りすぎる人が死にやすいという報告もあります(※1)。時々は立って作業する時間を作れるとベストです。片足を少し載せる台なんかがあるといいと言われます。
机の高さを変えれる作業台も売られているので、そういったものを使うと良いかもしれませんね。
立って作業できない人は、1時間に1回は立ち上がって歩いたりするといいでしょう。
5.ストレッチする
ストレッチ、とても大事です。お尻の筋肉が柔らかくなるだけで痛みがなくなることってたくさんあります。
その中でも効果が良くみられるおすすめはこちらです。
片足を膝に乗せて、身体を前にかがめる。
両側1分ずつ、2セットが目安です。辛い時は休憩時間を長くしたり、伸ばす時間を短くしてもよいです。
ポイントは
- お尻(梨状筋)が伸びるように曲げること
- 猫背にならないように背筋は伸ばすこと
です。
ここで、ちょっと詳しい人はこのストレッチじゃだめだろ!と思う人がいるかもしれません。(難しい話なので読み飛ばしてもらって大丈夫です)マニアックな話ですが、「梨状筋は股関節の外旋筋肉。脚を外旋させた状態で伸ばそうとしてもあんまり伸びないんじゃないか!?」といった具合で間違っていると思うわけですね。
ですが、梨状筋の働きは股関節の角度によって変わります。股関節が約60°以上屈曲すると、梨状筋の作用が股関節内旋に変わってしまうんです。筋肉の付いている部位の影響になるのですが、筋肉の働きが変わるというのは驚きですね。
このストレッチでは股関節を深く屈曲させた状態なので、外旋位でストレッチすることが効果的になるというわけです。
座りながらできるので、仕事の合間や休憩のときなどに取り入れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに横になった時はこんなストレッチもあります。
寝転んで片足の膝の上にもう片方の足を乗せる
膝に片足を載せて、乗せてない方の太ももを持ってひっぱります。
お尻の伸びるのを感じましょう。こちらも両側1分ずつ、2セットが目安です。結構ききます。寝る前にやるといいかもですね。
以上、デスクワークでお尻が痛い時の原因3つと、自分で試せる5つの改善方法でした。
よく分からない症状がある時や、自分で試しても改善しない時は早めに診察を受けるようにして下さいね。
今回の記事を読んでいただいた方には、こちらの記事もオススメです。
「理学療法ノウハウ!デスクワークで肩こりになる人の姿勢改善とストレッチ」
JAPAN HEALTHCARE代表理事/総合診療医 岡部大地
※1)van der Ploeg HP, Chey T, Korda RJ, Banks E, Bauman A. Sitting time and all-cause mortality risk in 222 497 Australian adults. Arch Intern Med. 2012 Mar 26;172(6):494-500.