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医療者がスタートアップする際に注意すべきたった一つのこと

ジャパンヘルスケア代表医師の岡部です。

今日はスタートアップについて書いていきたいと思います。ちょっと小難しいことなので、スタートアップに興味のある方向けの記事です。

昨年3月末まで私はどっぷり臨床現場で働いていました。医者もやっていたい。研究もしたい。だけど、一番したいのは「起業」でした。波及性の高いビジネスを行って予防医療を普及させたいと思っていました。

その気持ちを抑えきれず、昨年4月からは臨床を行う時間を大幅に削り、なんとか研究する時間を作りつつ、その他は起業に時間を当てる日々が始まりました。

法人の立ち上げ、助成金の手続き、税務の管理、特許の申請、仲間との仕事を実践する中で少しずつスタートアップという分野のことが見えてきたように思います。

先日は投資家の方と直接お話する機会を頂き、自分たちの事業で投資してもらうにはどうすればよいか考えました。結果としては、投資してもらうタイミングではなく、投資してもらえる内容でもないと分かりました。

投資家に投資してもらうには、投資家にメリットがないといけません。そこを意識して事業を作り込んだわけではありませんでした。

ビジネスを作っていく上で、社員、投資家、パートナー企業、大企業などいろんな人に手伝ってもらっていかなければならないと思いますが、そこで大事なのはみんなにとってメリットがないといけないということです。

基本となるメリットはもちろんお金ですが、大企業に対してならお金を渡すよりも広告宣伝を代替したり、事業シナジーとなって既存の製品の販売数を増やすことでもよいわけです。

投資家に対しては、基本的にベンチャー企業は上場して株価を上げるか、M&Aを行って高値で売却することを目指してリターンを返す必要があります。

手伝ってもらう人がそれぞれ得たいメリットは少しずつ異なります。それをうまく満たしながら、自分のやりたいことをやっていくのです。

ビジネス本などでよく言われる「win-winを作れ」というのは、具体的にはこういうことだったのだなと思いました。パートナーにもメリットを作った上で、顧客にも確実なメリットがあると思われる事業計画を練る必要があります。

医療者がスタートアップを行う時に注意すべきことがあります。それは「想い」を語るだけで終わってはいけないということです。こと医療者は「患者さんのために」という理念に突き動かされて行動している人が多いです。
この事業は人のためにやっているんだから、という想いだけでは先に述べたようなwin-winを作ることができないのです。

医療者がスタートアップを行う時に、絶対に押さえておくポイントがあります。

それは「IT」を活用することです。

ビッグデータしかり、IoTしかり、AIしかり、VRしかり、ITを活用した事業計画でないと拡大しません。どんどん技術が進歩していく中で、このITを活用しないスタートアップは見向きもされないでしょう。可能であれば、活用する技術は1つだけでなく、2つ、3つと掛け合わえるべきです。

「医療者の想い×IT」。

これらが掛け合わせることで、小さな芽が大きく育ち、より多くの人の役に立つものになるのだと思います。

 

JAPAN HEALTHCARE代表/総合診療医 岡部大地

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