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シニアの転倒を検知してエアバッグで衝撃吸収してくれるウェアラブル「ActiveProtective」

 

今日はジャパンヘルスケアのスマート療法士こと宇佐美が感動したスマート商品、Iot×ヘルスケアシリーズ。
シニアの転倒を検知してエアバッグで衝撃を吸収してくれるウェアラブル「ActiveProtective」のご紹介です。

毎年、3人に1人が転倒する事実


寿命の延伸とともに,転倒予防はその重要性を増しています。高齢者の3人に1人は1年間に一度以上の転倒を経験するとされ,転倒による不慮の事故は,窒息に続き第2位であり交通事故を上回っています。

高齢者|転倒

私が病院に勤務していた時も、転倒されての手首の骨折や股関節の骨折はとても多く発生していました。
転倒すると脚の付け根の骨を骨折されてしまうケースが多く、ご高齢の方だと人工の関節に変えないといけないことが多いです。
人工の関節に変えると、それが外れないように動作の制限が出たり、リハビリを3ヶ月間しっかりと受けて頂いたり(人によって状態が違う為目安の期間を書かせていただきました)と日常生活に戻るのに動作の制限や時間のリスクを背負うことになります。

衝撃を吸収するにはエアバッグ?


エアバックとは膨らんだ袋体を用いて衝撃緩和する装置のことです。火星探査機も火星に着陸する際にエアバッグを利用して着陸時の衝撃吸収をしているんですね!このような衝撃吸収のシンプルなコンセプトを考えたのがRobert Buckman医師です。
転倒してしまうのは止められない。それならば、転倒してもいいから怪我しないようにしたらいいのではないか?というところから、転倒の衝撃を吸収するエアバッグの開発を行ったみたいです。考え方がとてもシンプルで面白いですよね!

この考えを形にする為にまず、Robert Buckman医師は股関節を痛める統計的確率が15%以上である患者を特定しようと転倒危険因子を決定する評価をしました。次に、3次元運動センサーを使用して、日常生活の中から「危険な動作」を判断する為に通常の日常活動を支配する定型的な動作の中で加速度を測りました。このような方法で正確な転倒や転落を判断することができるようになりました。そして転倒や転落の前段階を判断し、マイクロエアバッグが入った股関節保護を提供する衣服を導入することで衝撃力を90%軽減させ転倒しても怪我をさせないようにしました。また、エアバッグが作動すると、スマートベルトはBluetooth経由で緊急連絡先にアラート通知を送ってくれる仕組みだそうです。

 

応用分野の広いActiveProtective


衣服もスマート時代に入りましたね!老人保健施設や術後のリハビリ中の病院施設、家に帰って外出の際など股関節の骨折を予防可能な状態に出来る事はとても意義のある事だと思います。
小さい頃よく「危ないことをしてはいけないよ」と両親にも地域の人にも教えて頂きましたが、ギリギリの危ない事って自分がどこまで出来るかを試す為にもしなければいけない事があると思うんです。
例えば骨折後の外出。チャレンジしてみなければ分からないのに、むやみやたらに「危ないからやめましょう」はその人の自立を促すチャンスを奪ってしまうような気がしてならないです。今までとなるべく同じように、引きこもりにならず生活する事。チャレンジしてみないとわからない事。今の現状よりもより良いものになるように努力する事。

将来、この技術を応用することで、様々なコンタクトスポーツ時の怪我の予防、乗馬やクロスバイク・マウンテンバイク時の転落予防、建築業などの危険度の高い職業、軍事的な分野でも怪我の予防ができると思います。様々な場面のリスク回避をできるツールになると思います。行動を制限するのではなく、とったリスクに対してどれだけリスク回避するかを考えた「ActiveProtective」。これからの時代は衣服もスマートになりそうですね!

 

 

 


今日のポイント
・アクティブシニアの時代、引きこもり予防に♫

参考文献:
・日本転倒予防学会誌 Vol.1:11-20 2015 高齢者の転倒予防の現状と課題

 

 

ジャパンヘルスケア
作業療法士/トレーナー/スマート療法士  宇佐美希未佳

 

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