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シンギュラリティと医療

ジャパンヘルスケア代表の岡部です。

みなさんは「シンギュラリティ」という言葉をご存知ですか?

これは「特異点」と説明されることが多いのですが、A.Iを使用することで、技術が人間の能力の限界を超えて凄まじいスピードで向上していくポイントのことを言います。

コンピュータ技術が今のスピードで発達し続けると、ある時点で地球全人類の知能を超える究極のコンピューターAIが誕生し、そのAIが更に自分より優秀なAIを作り、その繰り返しで天文学的なスピードで技術が進捗します。

「y=1/x」の式で「x=0」になったとき「y=無限大」になるようなイメージですね。

そして、その最初のAIができる時が2045年と予測されており、その時を技術的特異点=シンギュラリティと言っているのです。

シンギュラリティの意味をAIそのものと誤解される方が多いのですが、本来の意味は、人類の進化曲線が無限大になるポイントのことを指します。

人類は、狩猟を数百万年行ってきた時代から、数万年の農耕社会、数百年の工業社会、数十年の情報社会を経てきました。そうやって次の社会に変わってきたのです。

これまで人類が進化してきたように、これからは、AIと合体してさらに人類は進化していくわけです。

想像もつかないので漠然と不安感がつのりますが、今でもスマホでスケジュール管理をしたり、Google Mapで行き先を案内してもらったり、オススメのニュースが表示されるようになったり、機械が色々と判断してくれています。とても便利になっていますよね。

シンギュラリティが来ることで、AIが働いてくれるようになっていきます。

「やりたいことはやらなくてもよい。やりたいことだけやればよい」

という社会がくるかもしれません。いったいどんな社会になるのでしょうか…

私たちの専門分野である医療やヘルスケアも、シンギュラリティとともに大きく変化するでしょう。
どんな風に変わっていくのか?

例えば、仮にあなたが腹痛が激痛に変わってきたため救急外来に受診したとします。
病院に着くと、いつも隣にいるパートナーロボみたいなの(スマホの発展版)が正確にこれまでの症状の経過を共有してくれます。

病院のAIがあなたのDNAを解析し、これまでのカルテと照らし合わせ、バイタルサインを分析し、的確に質問を出して、答えるだけで声のトーンなども踏まえて診断してくれる。
あなたのDNAから、同じ薬効の薬の中でもあなたの身体に最適な薬を選んでくれる。

なんてことは起きそうな気がします。
実際、レントゲンやCTスキャンの結果から、AIが自動的にガンを判別することが出来るようになってきました。

それに加えて、これからは、

  • AIが、人間の医師の診断能力を上回る
  • AIが、既存薬の新しい効能を発見する
  • AIが、新しい診断基準・診断手法を確立する
  • AIが、新しい治療法・治療薬を開発する
  • AIが、新しい病気・病態を発見する

といったことが進むかもしれません。

AIが人間のやることを代替していく…なんだか少し寂しい気もするのですが、これからの医療を作っていくために避けては通れない所なので、考え、人と話し、調べながら備えていきたいと思います。

 

JAPAN HEALTHCARE代表/総合診療医 岡部大地

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