感動したスマート商品、Iot×ヘルスケアシリーズ。今回は視線入力装置のトビーPCEye Miniの紹介です。
( http://www.creact.co.jp/welfare/pceyemini-welfare/pceyemini/?gclid=CLHqnoyTpNQCFUsGKgodf7UGaA)
皆さんはアイトラッキング(眼球運動計測器)技術と言うものをご存知でしょうか?
アイトラッキングとは、心理学や認知科学などの研究分野でも用いられる、ユーザーの視線の動きをトラッキング(追跡)する手法のことです。 アイトラッキングの技術を用いることで、Webサイトを閲覧するユーザーの視線がどこに向けられているか、どのポイントを注視しているかを可視化できます。
そんなアイトラッキングの世界最大手がtobii社です。学術分野では、発達、教育、言語等の各種心理学、医学、工学の幅広い分野で高い評価を得ています。
ノートパソコンに接続するだけ
ALSや脳性まひ、筋ジストロフィーなどでマウス操作やキーボード入力に苦労しているPCユーザーの為にアイトラッキング技術を用いて視線入力出来るアイトラッカーがトビーPCEye Miniです。
パソコンに接続するだけで、例えば、視線をうつすことでページを下へスライドしたり、アイトラッキングを用いたマウスとボタンを使用することで、好きな場所をクリックしたりすることが出来ます。
先ほど挙げたALSなどのご病気の方、こういった技術が出るまではコミュニケーションを取るのが非常に大変でした。
声も出せない、指も動かせない。でも頭はしっかりしている状態を想像してください。便が出そうなのに、介護者にそれを伝える手段がないのです。
でも、この技術で視線を送って意思を伝えることが出来るようになった。本当にすごい技術ですね。
首の痛みや姿勢の改善に
首や肩の痛みに悩まされているユーザーも、このトビーPCEye Miniと組み合わせると操作がより早く楽に行えます。どんな姿勢でも視線入力は出来る為、トビーPCEye Miniと組み合わせる事によってより自然にリラックスした姿勢で入力できます。
例えば寝ていても、うつ伏せでも、横向きでも、立っても、座ってもパソコン操作ができるようになる可能性があります。
トビーPCEye Miniは文字通り小型で軽量!どこへ持ち歩くのにも苦になりそうにありません。
コレ持ち運べってことですよね?と言いたい位小さいです。
先ほどは病気の方の例を出しましたが、一般の方でも全然使えます。
私が思う「トビー」を使える利用シーンとしては、両手でパソコンのキーボードを操作しながら、目をマウスの代りにしてポインタを移動させたりすることです。外でPCを使うことが多いのでマウスを持ち運ぶより、できれば目をマウスの代わりに出来たら嬉しいです。パソコンの操作効率が非常に良くなると思います。
また、料理をしている時に手が汚れてしまっても入力出来ますし、天井にPCをつければ視線だけで、寝ながら本を読んだり、映画を見たりなんて事もできそうですね!とても便利なサービスです。
アイトラッキング技術は他にも
docomoのi beamやオリィ研究所のOriHime eyeなど現在色々なアイトラッキンング技術の製品が出てきています。
その中でオリィ研究所は分身ロボット「OriHime」と合わせて使うこともできます。
OriHimeは「存在感の伝達」をコンセプトに作られた遠隔操作ロボットで、カメラ、マイク、スピーカー、モーターを内蔵し、操作者はインターネットを通してOriHimeを動かし自由にあたりを見回したり、手を挙げるなどのジェスチャーをして、周囲の人と話すことができます。
OriHimeとOriHime eyeソフトウェアを組み合わせて使うと、自宅から視線でロボットを操作し、同窓会に参加したり、結婚式に参加して肉声やOriHimeの合成音声でお祝いを述べることができます。
自分の分身が「どこでもドア」のように色んな場所に居て仕事をしたり、友人とコミュニケーションを図る。そんな時代がすぐそこにある気がします。
これが普及すれば引きこもりにならず、コミュニケーションすることを選択する患者さんが間違いなく増えると思います。腕を骨折しても、麻痺になっても、寝たきりになってもPC上でコミュニケーションや簡単な入力仕事なら実施出来ることでしょう。
医療の現場のスタッフにとって声なき声を聞くチャンスが生まれ、笑顔を作るツール、が新しく生まれそうです。
病気の方の生活をサポートする技術がどんどん出てきました。
この技術革新が進んで、より良い、人の助けになる社会になれば嬉しいですね。
今日のポイント
アイトラッキング技術でコミュニケーションが劇的に変化する時代が来ている
ジャパンヘルスケア 作業療法士 宇佐美希未佳