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95歳のおばあちゃんが教えてくれること

ジャパンヘルスケア代表医師の岡部です。

私が定期的に診させて頂いている患者さんに、95歳のとても可愛いおばあちゃんがいます。
旦那さんに車椅子を押してもらって仲良く診察室に入ってきて、はつらつとした声で色々と話してくれます。

「お父さんは洗濯物をしてくれて、娘は仕事に行って、私がやることは食べるだけ」とか

「病気だらけだけど、口だけは達者だわ」とか

「先生の顔を見るだけで元気がでるわ」と言ってくれたりします。

 

心不全と足のむくみなどで通院しており、膝がとても悪くてあまり歩けないこともあって、なかなかむくみはよくなる見込みはありません。
せめて少しは動くとよく、定期的にデイサービスへ通ってもらうと必然的に運動できてよいなと考えて、「デイサービスには行ったりしないのですか?」と聞くと、

「先月紹介してもらって1日体験で行ったけどね、老人ばかりで嫌だわ」と言いました。

「食事を食べさせてもらっている老人を見ると、自分も老人になったみたいで。自分の気持ちは若いから。トイレも汚れていたの。汚くて嫌だった。」

と話してくれ、そうだよなぁと私は深く感心したのでした。その気持ちはよく分かりました。自分だってトイレが汚かったら嫌ですし。
本当に、認知症にならない限りは変わらない感覚があるのだなと思いました。

 

あまり歩けないと衰えていってしまうのですが、あの膝ではもう長く歩き続けることはできません。変形性膝関節症という病気で、膝とも関連した腰痛もあって、痛みのために毎日ボルタレン座薬を使っています。
かなり強い部類の痛み止めで、湿布も貼りまくっています。NSAIDs系で腎臓を悪くしてしまうため、よりむくみも出てしまいます。

気持ちはすごく元気なおばあちゃんなのですが、元気に歩くことができればよりよかっただろうと思います。現在の私の活動は特に変形性膝関節症の予防に関わっているので、つくづく予防していきたいと思う診察日でした。

 

JAPAN HEALTHCARE代表理事/総合診療医 岡部大地

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